「離婚はしないで別居して婚姻費用を請求したい!」浮気の解決方法⑦

「すぐには離婚はしないで別居して婚姻費用を請求したいです。子どもが小学校を卒業するまでは自分自身もフルタイムで働くのは難しいし、何よりも夫の浮気が原因で別居とか今後は離婚にもなると思うので諸々の生活費を当面の間は負担させたいです。」

婚姻費用とは、夫婦や未成年の子どもが夫婦の収入や社会的地位に応じて通常の社会生活を維持するために必要となる生活費のことを言います。

夫の浮気が発覚して離婚を決意して別居したけれど「現在は専業主婦のために収入がない」もしくは「自分もパートで働いているものの自身の収入だけでは生活費が足りない」などの場合に配偶者に対して離婚が成立するまでの間の生活費などの費用分担を求めることができます。

民法第752条では「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と定められています。つまり夫婦は互いに扶助する義務があるため婚姻費用を分担しなければなりません。後に離婚となる別居状態だとしても互いに援助して助け合う義務があり、婚姻を継続している間は収入の多い方が少ない方に対して生活費などを支払うことになります。

(同居、協力及び扶助の義務)

第752条
夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

婚姻費用

婚姻費用に含まれるもの

  • 家族全員の食費・光熱費・被服費などの生活費
  • 家賃や固定資産税などの住居維持に必要な居住費
  • 保育園の費用・学費・習い事の月謝など子どもの養育費
  • 通院費・治療費などの医療費
  • 結婚式・葬式などに必要な冠婚葬祭費
  • 常識的に必要と考えられる範囲の交際費や娯楽費

常識的に必要と考えられる範囲であれば娯楽費や交際費も認められます。明らかに無駄遣いだと判断されるような散財やギャンブル代などは当然ながら認められません。

婚姻費用の相場

婚姻費用の額は育児中かどうかなど各家庭の状況、資産や収入、社会的地位などによって異なりますが、一般的には裁判所が作成している「婚姻費用算定表」を元に決められます。

婚姻費用は夫婦だけの場合と子どもがいる場合、また、子どもの年齢や子どもが何人かによって変動します。

裁判所の司法統計によると「裁判所を介して婚姻費用の取り決めを行った」際の婚姻費用の相場は「6万円から15万円以下」となっています。

婚姻費用の請求方法

まずは夫婦による話し合いで婚姻費用の額を決定しますが、双方の合意があれば婚姻費用の額に決まりはありません。

話し合いで合意できた場合は協議内容を「公正証書」にしておきましょう。強制執行認諾文言付きの公正証書にしておけば、万が一、婚姻費用が不払いになっても裁判せずに強制執行が可能です。

婚姻費用の分担請求調停

”話し合いがまとまらない””そもそも話し合いができない”といった場合には家庭裁判所で「婚姻費用の分担請求調停」を申し立てることになります。

裁判所を介する手続きです。2名の「調停委員」が当事者の間に入って調整してくれますので、原則として相手と直接顔を合わさずに話し合いを進めることができます。

裁判所が「夫婦双方の言い分や状況」などを考慮した上で適切な婚姻費用の金額を提示し、夫婦双方が提示額に納得すれば調停は成立となって婚姻費用の支払いを受けられるようになります。

婚姻費用の分担請求調停の申立は自分でも可能ですが離婚・別居・婚姻費用・慰謝料請求・財産分与など問題が複雑である中での申立になるケースが多いので、弁護士に相談をして見解を聞いたり手続きを行ってもらうのが良いでしょう。

浮気や離婚のお悩みはガルエージェンシーの浮気調査専門窓口へご相談下さい。